梅干しのシンプルな作り方と、作る時期について
梅干しは保存食ですからいつでもありますが、梅干しを作るのに適した時期はあるのでしょうか。
初夏になってお店でとれたての梅を見かけたら、梅干し作りの時期です。
新鮮な梅からの良い香りがたまりませんね。
梅は塩漬けにしてから干すのですが、干す時期が土用の時期に当たるのでこの工程を”土用干し”と呼ぶそうです。
折角ですから、自家製の梅干しを一度は漬けてみたいと思いませんか?
しかし、何だか作り方が難しそうなイメージがありますね。
梅干しの作り方は、手間はかかりますが以外と簡単なんです。
こちらでは初めてでもできる、シンプルな手順での梅干しの作り方をご紹介します。
梅干しの作り方
梅干しの作り方は梅を塩漬けにして、漬かりきったら3日ほど天日に干すのが基本です。
塩分濃度は18%〜20%ですと、カビにくく失敗が少ないようです。
ここでは今まで作ったことがなくても試してみたくなるような、シンプルな手順の作り方をご紹介します。
紫蘇を入れて赤い梅干しにしたい場合の、紫蘇を加えるタイミングも添えてみました。
●材料
梅(熟して黄色くなったもの) 1kg
粗塩 180g
焼酎 少々
もみ紫蘇 200g (赤くしたい場合)
●必要な用具
漬ける容器 1 (金属製でないもの)
落とし蓋 1 (皿などでも可)
漬物石 1kg×2 または水を入れた2ℓのペットボトル
●作り方
⑴梅を洗ってキッチンペーパーなどで水気を拭き、爪楊枝でヘタを取ります。
⑵容器に焼酎をまわしかけます。落とし蓋、漬物石も同様にします。(殺菌の為)
⑶容器に塩、梅の順に、交互になるように入れ、最後に多めに塩を盛ります。
⑷落とし蓋をして、重石を乗せて、冷暗所に置きます。
⑸2〜3日して梅酢が上がってきたら、容器を傾けて梅酢をなじませます。
梅が酢に漬かっていないとカビが生えることがあるので、時々容器を傾けて回して梅が漬かるようにしてください。
⑹1週間して梅酢が上りきったら、重石を半分の重さにします。
もみ紫蘇を入れる場合はこのタイミングで、梅の上にかぶせるように載せます。
⑺1ヶ月ほど漬け、天気が良い日に3日間、天日干しします。
3日連続でなくても良いので、日が出ている日に3日間干してください。
梅が重ならないようにザルなどに広げます。夜は屋内に入れ容器に戻します。
紫蘇も水気を切ってから干します。
梅酢も天日に当てて、殺菌します。
⑻干し上がったら、瓶など保存容器に入れます。
保存は冷暗所で、取り出すときは乾いた箸を使うなど気をつければ、かなり長い間保存ができます。
梅干しを漬ける時期
梅干しを漬ける時期は、梅が収穫できる初夏の頃です。
6月になると、店頭で青梅を見かけるようになりますね。
梅干しに適した梅は、青いものではなく黄色く熟したものです。
青い梅は硬くて漬かりにくいので、少し置いておいて追熟させてから使うと良いでしょう。
良い香りが立ってきた頃が、梅干しを漬けるのに良いタイミングです。
紫蘇を入れるのはどうして
赤紫蘇を入れない梅干しを白漬け、赤紫蘇を入れて漬けたものを紫蘇漬けと言います。
紫蘇を入れて赤くするのは、主に着色のためと言われています。
鮮やかな赤い色は食欲増進効果があり、また、魔除けの色でもありました。
この色素はシソニンという成分で、抗酸化作用があります。
紫蘇自体には虫がつかないことから、紫蘇を入れて漬けると防腐効果が期待できます。
また、紫蘇の香りも楽しめますね。
以下に紫蘇の下ごしらえの仕方をご紹介します。
●材料
赤紫蘇の葉 200g
塩 40g
⑴赤紫蘇の葉を洗ってよく水気を取ります。
⑵半量の塩で揉み、出てきたアクの汁を捨てます。
⑶再度塩を加えて揉み、アクの汁を捨てます。
⑷漬けている梅から出た梅酢を少量加えてほぐします。クエン酸で紫蘇が赤く発色します。
少し手間がかかりますが、これを市販のもみ紫蘇の代わりに入れると、より香り豊かな梅干しが出来ますよ。
梅の健康効果
梅にはクエン酸が含まれており、疲労回復効果や血液サラサラ効果があります。
また梅には殺菌効果があるので、食中毒の防止やインフルエンザなどの感染症の予防にも期待できます。
胃がんの原因になるピロリ菌も撃退できるとのことです。
そして他には糖尿病や高血圧といった生活習慣病の予防や、ダイエットにも効果があるそうですよ。
梅に含まれるバニリンという成分に、脂肪燃焼効果があることが分かったそうです。
こんなに多くの健康効果がある梅を食べないのは、もったいないですね。
今年は自家製の梅干しを食べて、楽しみながら健康的に過ごしましょう。